よままごと日記

すみっこで暮らす会社員の読んだ話や見た話。

野暮ったくても愛しいと言いたいときもある。

春一番に吹き飛ばされてなかったことにしたい。
きくちです

そういえば、昔、
リクルートかな?
卒業シーズンに流れていたテレビCMで
「卒業って、出会いだ」というフレーズを聞いて
思春期まっただ中にいた私はいたく心震わされた覚えがあります。
BGMのさらば青春をきいて、
チャットモンチーを大好きになった瞬間でもありました。

なんというか、
好きな本だとか映画だとか音楽だとか
どうしても中学高校時代に出会ったものがすごく印象に残っています。
センシティブでナイーブゆえに深く刻まれているのか。
そのときの私自身の記憶と重なり、ものすごくもだえる。
なんにもキラキラしてないし、基本的に冴えてないし、
だれかになにか言われたわけでもないんですけど、
それでもその頃のなんやかんやをわしゃわしゃ撫でて抱きしめたくって
がんばれって言いたくなる。まあ、過去なのだが。

そんなことを思い出しながら、
ビール飲んで月でも見たいなーっておもって、
窓をあけて、しんみりしながらほろ酔いベランダ出るんですけど。

しみわたる、けむりのにおい。

そうなんす、煙がね、すげー部屋に入ってくるんだ。

一呼吸おいて思い返すと、去年の夏くらいから、
やたら隣からたばこの香りが漂ってくる。

休みの日に、なんにも予定がなくて、
外の音だけききたくて
ぐったり網戸に近寄ると、
もうほんと30分おきくらいにライターカチカチしてて、

ほんで、壁や網戸を低音ボイスがするっとすり抜けてくる。

どうやら隣のあの子を訪ねる人ができたようで。

二人して煙を送り込んでくる。

低音ボイスに嬉しそうに答える声と苦い煙。
すげーくさいの。
見知らぬ人が勝手に垂れ流す煙ってさ。
好きなあの子が遠く見ながらくゆらすときや、
父がけだるそうに吐き出した白い筋が
換気扇に吸い込まれていくときはなにも思わないのに。

苦行。

しいんとした夜にふと目がさめて、
暗闇にふわふわ体を泳がせていると
ふいにきこえる、営みのサウンド。

ぼんやりテレビ見ながらまどろむ夕暮れ、
ふいに耳に届く、営みのサウンド。

苦行。

なんだろ、よくわかんないんだけど、

男女ともにすげー盛り上がって大気圏突破!
てかんじの大音響のときに、
きゅうに低音ボイスがいててててとか言いだすのは
とりあえず不安になるからやめてほしいです。

怒りもせず、ドキドキもしないで、
なんとなくビール飲みながら壁を見つめて苦笑していると
やっぱり青春はおわったのかもな、とかみしめて。

引っ越すかな。

ひさびさにチャットモンチー聞いて寝よう。